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ソフトバンクがガンホー株売却、その先は?

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ソフトバンクグループとソフトバンクが、所有するガンホー株2億7260万株(持株比率28.41%)のうち2億4830万株(同23.47%)を売却するというニュース。

同時に発表されている中国アリババ株の売却額が、約32%所有中の5%程度で1兆900億円ということなので…完全におまけで売られるような形になっていますが個人的にはやはりアベノミクス大相場の主役だったガンホーなだけに趣深いところがありますね。

ぽこぺん太も2013年の7月まで、その他大勢の新参投資家と一緒になってガンホーの快進撃に乗っていたのですが、直後の天井からの下落っぷりに狼狽w それまでの利益が大きく吹っ飛びさらに取り戻そうとして9月にはマイナスに落ち込むという、虫ケラ素人投資家にふさわしいオチになったのでした… 

脳天気プラス思考で言えば、あそこで退場とまでならずとも手痛い失敗を見たのは有意義と考えたいところです。その後もガンホー並の急騰の兆しを見せた銘柄はありましたが、実売上や相場全体の勢いを伴ったものは無く、かつて見た夢相場と「第二のガンホー」という言葉を信じて凸り散っていった人も多いと聞きますので。

 

ところで「公開買付価格は2日終値から4.85%ディスカウントした1株294円で合意した。売却総額は約730億円となり、ガンホーは持分法適用会社から外れる。」とのことなのですが、直近でガンホーはパズドラの中国版事前登録を開始したというIRで急騰。一年前と比べて半額になっていた株価が多少持ち直したところだったので、内々に「反騰したタイミングで売り」というのは決まっていたのかもしれません。

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そして、ガンホーソフトバンク両者のこれからですが、ガンホーは常識的に考えるなら企業成長の長い踊り場となるように思います。パズドラをリリースしてから2015年までの最終利益合計がおよそ1700億円ほど。今回放出する730億円と、昨年のTOB800億円を合わせるとこれまでの稼ぎの9割ほどをソフトバンクにお支払いすることとなります。新作開発の投資には支障無いとしても、飽和した国内市場を脱して海外での大規模マーケティングを仕掛けるとなるとお財布の薄さが痛手となるでしょう。

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それでも今年度の最終益も落ち込みそうだとはいえ300億以上は確実でしょうから、日本国内のゲームメーカーとしては潤沢な現金を保有できてはいます。ですが2014年にわずか10カ月でフィンランドのスーパーセルの株を売却していることから分かるように、ゲーム事業として短期間に成果を出せる投資先などを探せないままであるように見えます。そのスーパーセルは寡作ながら、出すゲーム全てでパズドラ級の大ヒットを続けているお化けメーカーなのですが、こちらもソフトバンクが保有する株式を中国テンセントなどに近々売却する見通しと言われています。

 

ガンホーにしろスーパーセルにしろ、スマホゲー市場での持続成長はもはや望めないというのがソフトバンク側の認識なのでしょうね。個人的にもこの二社は今後も優良なゲームを作ってくれるとは思うのですが、仮に大当たりが出たとしても業績拡大の規模はおとなしいものかと。あまりにもこれまでの稼ぎの規模が桁外れだった反動は長く続くと思うのです。(スーパーセルに関しては、もしも今後Eスポーツ市場が台頭してきた際には日本国内でも存在感が出て、おこぼれにあずかる銘柄もあるのではないかと思いますがここでは割愛しておきます)

対するソフトバンクですが、最初に言ったとおりアリババ株の巨額な特別利益に比べると単なる財務強化で片付けられても納得させられてしまいますが、当然それだけではないでしょう。もともと100億円程度の投資だったアリババが一時期とはいえ時価総額10兆円というとんでもない大化けをしたわけですから、10年程度のスパンで成長を期待できるベンチャー企業に今後もポンポンお金を配っていくつもりなのは確実です。

逆に言うと、直近すでに名の知れた企業などを高値で買うといったことはおそらく無いというのが個人的な見込みです。一部では上場予定のLINEを買うといったうわさもあるみたいなのですが、すでに調達予定額がピークを大きく下回りだしているところに投資する可能性は薄いのではないでしょうか?すでに大きな荷物として米スプリントを抱えてしまっているのも事実ですから、関係性も複雑な韓国資本と事を構えるのも合理的かと言われるとうーん…となります。

今後、ソフトバンクがどこどこにお金を出したというような開示や報道が出てくると思うのですが、おそらくは副社長のアローラさんやかなり小さいスタートアップ企業対象の投資会社をやっている弟さんが見繕ってきた「一般日本人では名前も知らないよくわからない会社」である可能性は高いでしょう。

個人レベルでガンホーのような夢相場をソフトバンクと再び分け合えるかはわかりませんが、どういった事業であるかをしらべておくことで数年後の波に備えておくことはできるかも知れません。ペッパー君のようなロボットとAI技術は当然のようにだれもが狙っているところなので、市場自体は大きくなっても勝ち組になれるかどうかはわかりません。できればあまり注目を集めてないところのほうが個人としてはありがたいかも…?